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会長通信  ·  2024/05/23

広告の功罪について考える

令和6年(2024年)5月23日

一般社団法人日本POPサミット協会

会長 安達 昌人

 一年中でもっとも爽快とされる時候、皆様には元気にお過ごしのことと思います。

 今回は、「広告」の功罪をテーマに、書いてみることにします。

 私たちの生活の周囲にはさまざまな広告が溢れ、また、私たち自身も広告に関わる仕事に携わっています。広告は、社会生活活動の重要な一端を担っています。

さて、広告の功罪については、いくつかの観点から論議されていますが、

 

まず、「功(メリット)」を挙げれば、

  1. 商品やサービスを消費者に普及促進します。
    企業や商店などの購買促進を図ります。また、物流だけに限らず、いろいろな組織の新しいテクノロジーや文化活動など、普及を図るものは多種多様です。

  2. 生活情報を提供します。
    製品やサービスに関する新しい情報を提供し、これが最も大きな効果と言えます。消費者は広告を通じて、製品やサービスの特徴、価格、その傾向や流行(いわゆるトレンド)、生活への応用などの知識を得ます。そして、広告主と消費者の間に、良いコミュニケーションづくりを果たします。

  3. 雇用の創出が挙げられます。
    広告代理店や制作に関わるあらゆる業界、各種クリエイターを創り出し、その生活を支えます。私たちも少しばかり、その恩恵に浴しています。

 では、「罪(デメリット)」を挙げれば、これはきわめて複雑で多様な状況です。

  1. 誤解や誤認を招きます。
    身近な例では、テレビ通販で良く見かけます。モデルとなった人が、広告の「サプリメント(栄養補助食品)」によって、元気よく行動するシーンが放映され、そして「○○分以内に電話すれば○○円になる」と値下げ価格、時には通常価格の半値以下の値段を訴えます。
     店頭では「二重価格制」が厳しく設定されているのに、マスコミでは何故「今ならこの価格」の訴求に寛容なのかは不明です。最近はこのタイプの広告が多く見られます。
     その理由の一つとして「機能性表示食品制度」が挙げられます。
     機能性表示食品は、2015年に発足した比較的新しい制度です。従来は、「特定保健用食品(トクホ)」や「栄養機能食品」については機能性の表示が可能でしたが、機能性表示食品制度では、サプリメント、加工食品、生鮮食品を含めたすべての食品に、機能性(効果)を商品パッケージ等に表示出来るようになりました。
     つまり、事業者(企業・団体など)の責任のもとに、消費者が誤認することなく商品が選択できるよう、適正な表示で情報提供する旨を、消費者庁に届けを出せばOKなのです。
    「特定保険商品」と「機能性表示食品」は、どちらもその名称がパッケージに記載されていますが、機能性表示食品には、消費者庁許可マークはありません。
     「特定保健用食品」は、ヒトによる試験を実施し、科学的な根拠を示す必要があります。
     一方、機能性表示食品は、ヒトによる試験または文献や論文を引用することにより、科学的根拠を示すことが出来ますが、厳密には、消費者庁長官の許可を得たものではありません。
     では、機能性表示食品制度はどうして生まれたのかと言えば、経済成長を狙った安倍政権のアベノミクスの一環として、「世界で一番企業が活躍しやすい国にする」という方針から設定され、急拡大したものです。
     サプリメントのテレビCMでは、一般人に扮したモデルばかりでなく、学者や医師が証言していることから、科学的根拠があると信じて、電話注文する高齢の視聴者が多いようです。
     ただし、学者や医師はそのサプリではなく、含まれている成分についてのみ「効果があると思われる」と言っていて、その論文が根拠となっているのです。
     機能性表示食品として販売した「紅麹」を原料としたサプリメントが、「悪玉コレステロールを下げる、L/H比を下げる」とパッケージに表記して販売し、いかに多くの健康被害をもたらしたかは周知の通りで、まさに誇大広告の弊害と言えます。
     医薬品や健康医療器具などは、「医薬品医療機器法(旧薬事法)」に基づいて、開発、承認、製造、流通、使用の各段階で、必要な規制が行われています。しかし健康関連器具のテレビCMでは、やはり「今すぐ」申し込めば○○円で買えるという、割引訴求が注目されます。
     インフルエンサー(著名な技能人やスポーツ選手など、大きな影響力を持つ人)が推奨するなら間違いない、と思い込んで購入するのは、視聴者の責任ということになります。
     と言った訳で、「個人の感想です」と小さく表示しておき、あたかも報道のように見せる広告は誤解・誤認されやすく、その意味で、広告は危険な一面を持っているということです。

  2. 過剰な支出、被害を促します。
     2023年「日本の広告費(電通)」では、マスコミ四媒体広告費が2兆3,161億円(前年比96.6%)に対して、インターネット広告費は3兆3,330億円(前年比107.8%)と上回り、総広告費に占める構成比は45.5%に達しています。まさにインターネット時代と言えます。
     webによる広告には、FacebookやInstagramなどのSNSや、YouTubeなどの動画広告が活用されますが、最近、もっとも深刻な話題となったのは「SNS投資詐欺」です。有名人になりすまして投資を呼びかける「偽の広告」が、多大な被害をもたらしました。
     いわゆる「ダークパターン」と称される巧妙な手口の犯罪で、プライバシーの侵害や金銭的な損害を引き起こしています。最新のAIが活用された悪質な広告の例と言えます。

 以上、広告の功罪を見てみましたが、「功」よりも「罪」の露出度が顕著になっていることは確かであり、それが今日の情況でしょう。

 かつては、マスコミを中心に一方的に流れていた広告が、今は誰もが発信し自在に加工出来るデジタル媒体によって、多様な面を持つようになっています。犯罪的な意図の広告もあるとともに、規制を緩和されたごく日常的な広告が、弊害をもたらすことも起こり得ます。

 では、私たちPOP広告クリエイターは、広告に関してどう対応すべきなのか。

 例えば、ある企業商品のPOP広告を作成する際には、そこに訴えている文言を鵜呑みにすることなく、客観的な判断力により、その商品について十分に調べた上で、購入する消費者に本当に役立つ情報を表現することが肝要です。文案も誇大にならぬよう注意します。

 当然のことながら、有用な情報を、いかに適切な文案でメッセージするかは、限りなく難しい事項であり、私たちの今後の大きな課題になってくるものと言えます。 

以上

 

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